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両情もしこれ長久ならん時、あに朝朝暮暮たるに在らんや

兩情若是長久時、 又豈在朝朝暮暮。

両情若(も)し是(これ)長久ならん時、
又豈(あに)朝朝暮暮(ちょうちょうぼぼ)たるに在(あ)らんや。

二人の愛情が、もしも本当に永遠に変わらないなら、別に毎朝毎夕出逢うことにこだわる必要がないだろう


※※※

「鵲橋仙」 秦觀(北宋1049~1100)
纖雲弄巧、
飛星傳恨、
銀漢迢迢暗度。
金風玉露一相逢、
便勝卻人間無數。

柔情似水、
佳期如夢、
忍顧鵲橋歸路。
兩情若是長久時、
又豈在朝朝暮暮。

  繊雲は巧を弄し、
 飛星は恨みを伝へ、
 銀漢迢迢として暗(ひそ)かに度(わた)る。
 金風の玉露一たび相ひ逢ふは、
 便(すなは)ち人間(じんかん)の無数なるに勝却す。
 柔情水に似て、
 佳期は夢の如く、
 忍びて顧(かへり)みるは鵲の橋の帰路。
 両情若(も)し是(これ)長久ならん時、
 又豈(あに)朝朝暮暮たるに在(あ)らんや。

たなびく細い雲が巧みに趣きある模様を作り出し、
牽牛星と織女星は、愛の恨みを伝え、
天の川は遥か遠く、ひそやかに時が過ぎてゆく。
秋風に玉成す露を置く七夕の一たびの出逢いは、
まことに人の世の無数の恋にまさっている。
優しい想いは水に似て、
素晴らしい出会いの時は、夢のように過ぎてゆく。
渡って来たカササギの橋(七夕の夜に織女が天の川を渡るときカササギが作る橋)は帰る道かと顧みるとなんとも忍びがたい。 
二人の愛情が、もしも本当に久しく変わらないというのであれば、 また、どうして毎朝毎夕出逢うことにこだわることがありましょう。

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